先日、愛知県司法書士会の研修を受けてきました。
愛知県司法書士会では、年間12単位の研修を義務づけていて
12単位に満たないと、愛知県司法書士会が開催する相談会に参加できなかったり
相談員の名簿に登載されなかったり、ペナルティが科せられます。
正直、愛知県司法書士会の開催している研修は、専門知識の修得をさせるもので
苦痛なものも少なくない。
講師の方は、レジュメに沿ってブワーとお話されれば良いのですが、受講しているこちらは
なかなか大変。
「レジュメそのまま読むなよ」、と言いたくなるような研修もある。
修得した専門知識もお客さんが来てこそ活かせるものだから、お客さんをとるための営業等
実際に役立つ研修をもっと増やしてもらえると有り難いのにな、といつも思います。
司法書士だけでなく、どの士業も「職域拡大」と言って、その資格でできる仕事を広げようと躍起になっています。
私が受けた研修も「交通事故」に関するもので、交通事故といえばかつては弁護士の独壇場でした。
しかし、司法書士も請求額が140万円以下なら示談交渉や裁判ができますので
交通事故分野に参入している方も多いようです。
ある統計によれば、交通事故自体は減少傾向にあるようですが、交通事故に関係する裁判は増加しているそうです。
これは、自動車保険に付帯する「弁護士特約」が関係していて、
特約があるから弁護士使って裁判起こそうとか
弁護士の側も特約使っての裁判を勧めていることが原因らしいです。
講師の話を又聞きしただけなので、真偽は分かりません。
また、弁護士が法外な報酬を請求しているけど、司法書士なら弁護士より報酬安いから「交通事故」分野への参入はチャンスとも考えているみたいです。
あと、交通事故は、ほとんどが和解で終わるから楽、だとか、定型の仕事だから楽だとか
「なんやそれ?」みたいなことも講師は言っていました。
幸いなことに私は、人身事故を起こしてはいないし、自分で車をぶつけたことが数回あるだけ。
それでも、ぶつけた車を見ると落ち込む。
車で人に怪我させたら、たぶん免許を返納すると思います。
交通事故に遭われた方にとっては楽なことはないし、事故には「定型」なんて考え方はありえない。
とはいえ、私も数年前は「交通事故の仕事をやろう」と考えたこともありました。
研修を受けられた方が、交通事故を扱うことは自由ですが、
「楽」だから「定型」だからでやっちゃうと、司法書士も弁護士も変わらなくなってしまいます。
司法書士は、司法書士としての「取り組み方」を考える必要があると思います。
「うちは、相続、遺言、会社の手続き、不動産の名義変更、お金の取り立て、離婚、借金の相談、交通事故、なんでもやりますよ」
って、言うとお客さんはどう思うのかな。
私は、事務所にお問い合わせのある事案については、基本的には全てお引き受けしております。
でも、人前で話すときは「何でもやります」とは決して言いません。
「日本一のゆいごんの専門家です」
と言って、自分の専門性を知ってもらうようにしています。
【専門ありますか?】
http://na0ism.exblog.jp/24494226/
問い合わせあれば、全てお引き受けしていて、今回であれば「交通事故」の研修を受けたし
研修の成果を見せよう・・・なんてことは全く考えていません。
もし、交通事故の問い合わせがあれば、私は迷わずその道のプロである弁護士をご紹介します。
仮に、交通事故の仕事をして30万円くらいの報酬がもらえたとします。
でも、関係が築けるのは依頼者1人だけ
ここで、関係の深い弁護士に交通事故の仕事をお願いすれば30万円の報酬はもらえませんが
弁護士に感謝されて、その弁護士との関係がさらに深まります。
さらに、5万円の仕事を6件紹介してもらえるかもしれません。
6件紹介されれば6人の依頼者と関係が築けます。
弁護士に仕事をお願いした方が、得な気がしませんか?
1人からはさほどではありませんが
6人の人と関係が築ければ、さらに仕事が広がるような気がします。
私が、自分ができそうな仕事でも、他業種の方にお願いするようになれたのは、ここ最近のことです。
それまでは、「絶対人に仕事なんてやるもんか」でしたから。
最近も、10年以上付き合いのある社長からの相談を弁護士にお願いしました。
私でもできる仕事でしたが、弁護士に頼んだ方がスムーズに解決することが分かっていたので。
結果的にスムーズに解決して、良い人を紹介してくれたと社長にも感謝され
弁護士も顧問契約が結べて感謝されました。
私には、1円も入りませんでしたが、感謝が2つ入りましたし
社長からは、別のご依頼をいただけることになりました。
「目先のお金」を見るよりも、どうやったらたくさんの人と良い「関係」を築けるか、
どうやったらたくさんの「感謝」がもらえるかを考えることが大事
感謝が形になったものがお金ですから、お金が欲しいならできるだけたくさんの感謝を集めないといけません。
お金も、仕事も、人脈も抱え込んでしまっている人を見ると、もったいない気持ちでいっぱいになります。
かつての私がそうでしたからね。
自分の持っているお金、仕事、人脈は、できるかぎり人に与えよう。
与えなければ、自分には返ってきません。
