【あえて「王道の仕事」をやらない】


「こんなことでお役に立てると思うのですが・・・」
 
私が、ある仕事の資料をお渡ししたところ
 
「いやっ、ちょうど(資料に書いてあることを)お願いしようと思っていたとこなんです」
 
と相手の方に言われました。
 
営業していて、こちらの提案と相手の要望が一致するってなかなかない。
嬉しい反面、少々驚きました。


私が事務所を置いている岩倉市は「まあまあの田舎」なので、大都市の司法書士が扱うような仕事はありません。
 
「土地を買ったので、土地の名義を変えてほしい」

とか

「住宅ローンを組むので、銀行の手続きをしてほしい」

とか
 
「会社の役員を代えたいので、役員変更の手続きをしてほしい」

という、「司法書士の王道のような仕事」を、どの司法書士も欲しがります。
 
どの司法書士も欲しがるけど、王道のような仕事は「古株の司法書士」がおさえているので
新人には、そういった仕事はなかなか舞い込んできません。
 
また、王道の仕事は、不動産業者、銀行等が出すので、どの司法書士もそういった会社と仲良くなりたがります。
でも、王道の仕事は、どの司法書士がやっても同じ成果が出るので、不動産業者、銀行は「値段」で司法書士を選びがちです。
 
仮に、古株が1万円で受注しているのだったら、新人は

「1万1千円でやらせてください」

とは言えません。

「じゃあ、お安くして9千円でやります」
「いや、うちは8千円で」

となってしまう。
 
「王道の仕事」以外にも仕事はあるのですが、
司法書士業界は「王道の仕事をたくさんこなす人は偉い」という風潮があるので、みな王道の仕事をやりたがります。
 
少し話は逸れるのですが、ある弁護士に

「裁判以外の仕事やればいいのに」
 
と言ったことがあります。
 
弁護士にとって裁判は「王道の仕事」です。
訴えたいから、訴えられたから、人は弁護士を頼みます。

でも、裁判所の統計を見ても年々裁判は減っているし、裁判の準備は大変だしストレスもある。
 
だから、減り続ける裁判に執着するより「裁判以外の仕事」にシフトした方がいいのではないか
そう思って「裁判以外の仕事をやればいいのに」と言いました。
 
裁判の依頼が来たら、もちろん引き受ければいいけど、あえて「裁判やります」とアピールしない。
そういったスタンスの弁護士がいたら目立つような気がします。
 
今まで名刺交換した弁護士の多くは、名刺にありったけの業務内容を書きまくっているから
まったく目立たないし、印象にも残りません。

なんで「専門分野はなんですか?」と聞くと
どの弁護士も「何でもできます」と言うのだろう?
 
私も「王道の仕事」が来たら引き受けてますけど
アピールしているのは「遺言」とか、冒頭のような「ある仕事」。

そういった仕事は、単価を自分の裁量で上げやすいし、「私に頼みたい」と言われやすい仕事です。
そして何よりもニーズがあります。
 
ニーズはあるから、あとはどうやって営業するかだけ。

「遺言作りますよ」とか「こんなことできますよ」というのは営業ではなくて

単なる売り込み
 
最近ようやく、売り込まない営業が出来上がりつつあります。
 

営業のことばかり考えている司法書士って、異業種からみたら普通なんだけど、
司法書士業界から見たら、かなりの変人です。
 
変人でよかった。 

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by 073995332 | 2016-03-18 21:42