【「東日本大震災」で一番多かった相談】

  
先日、震災時に私が書いたブログ等のご紹介をしました。
 
震災から半年後、2011年9月に岩手県陸前高田市の仮設住宅を巡り
法律相談を行ったのですが、その時多かった相談は
 
・家が基礎ごと津波で流されて、自分の家の土地が分からない
・津波で権利証など重要書類が流された

 
といった、津波がらみの相談が多かったです。
 
私たちは、岩手花巻空港から陸路、陸前高田市入りしたのですが

空港周辺は、

「ほんとに大きな地震があったの?」

というくらい倒壊した建物はないし、飲食店も普通に営業していました。

でも、それも山を越えて陸前高田市に入るまで、陸前高田市に入った途端に風景が一変しました。
 
不謹慎ですが、建物の基礎ごと根こそぎもって行くくらいの津波を前にしたら、
権利証なんて紙切れひとたまりもありません。
 
もっとも、権利証は、無くなっても破れてもどうにかなります。

【登記済証(権利証)を紛失したのですが,どうしたらよいのですか?】
houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/000130971.pdf

 
被災地での相談の中で、その後の私の業務内容に影響を及ぼす内容がありました。
 
それは、
 
「遺言書の入った金庫が津波で流されたのですが、あれはどうなるのですか?」
 
相談件数20件のうち、2、3件ご相談がありました。
 
遺言書でも、それは手書きの「自筆証書遺言」

で、ご相談についての私の回答は
 
「流されちゃったら、それはもう、どうにもなりません」

自筆証書遺言は1通きり作られるものなので、スペアなどありません。
現物を無くしたり、破れてしまったりしたら、遺言書としての効力はなくなります。
なので、津波で金庫ごと流されてしまったらどうしようもない。
 
「公正証書遺言にしとけば良かったのにな」

心の中でそう思っていました。
 
公正証書遺言ならスペアを作って貰えるので、手元にある1通を無くしても大丈夫です。
愛知県では一部地域を除いて、津波の被害は考えられませんが、火災はどこの地域でも考えられる。
大事な遺言書が燃えて無くなることもあるので、私は公正証書遺言をお勧めしています。
 
 
当時は、遺言書作成をそれほど熱心にやっているわけではなくて、年に1通作成するかどうか。
今みたいに、セミナーをやるわけじゃないし、ましてや商標とろうなんて思ってもいなかった。
 
8月に自分の父親を亡くしたことを、私はまだ引きずっていました。

でも、陸前高田市には、父親どころか家族全員を亡くした人が沢山いて
亡骸が見つからない、お葬式も満足に挙げられない人もいた。
 
遺体があっても火葬してしまえば、灰になっしまう。
でも、言葉は、言葉を発した主が亡くなっても残り続けます。
 
津波で家族を亡くした方も、家族の言葉を聞きたかったんじゃないか。
自分も、父親の最後の言葉を聞きたかったし。

遺言には「付言事項」を書いてもいいのに、全然活用されてない。
もっと「付言事項」を使って、言葉を遺せばいいのに。

だって、「遺言」って言うじゃん。
 

「付言事項は大事だよ」という同業者の方はチラホラいて、

「ああそんなんあるんだ」

くらいでしたが

「父親の死」+「陸前高田市での法律相談」+「付言事項」+αで

遺言書作成をメイン業務にすることになりました。



2011年9月に撮影した陸前髙田市役所仮庁舎
名古屋市役所から派遣された職員の方が多数お見えでした。

【陸前高田市編1日目の2】
http://na0ism.exblog.jp/16314920/

b0181744_16124059.jpg

[PR]
by 073995332 | 2016-03-14 16:13