【「花押」って格好いいけど・・・】

 
仕事柄、依頼者の方に、書類への実印の押印をお願いしたり、
印鑑証明書の提出をお願いすることが多いのです.

でも、実印って使うことあまりないですよね?

私も、仕事以外で実印を使うことは、まずありません。
朱肉を使ってハンコ押すこともないし、シャチハタで済ますことが多い。

いっそのこと欧米のように、「サイン」で済ますことができたらスマートだし何かかっこいいですよね。

今回、「花押(かおう、華押)」という、署名の代わりに使用される記号・符号が、
裁判で問題になっています。

「花押」遺言書、有効判決見直しか 最高裁が上告審弁論
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG09HBO_Z00C16A3000000/?n_cid=TPRN0009
 
大河ドラマ「真田丸」でも、有力武将からの書状には、武将のサインのような「花押」が書かれていました。
花押があるから、上杉景勝の書状に間違いがない、みたいな感じ。
 
花押なんて、戦国時代だけかと思っていたら、田中角栄とか森喜朗といった政治家も花押を使っていた(いる)らしいです。
 
遺言書作成に携わる人間として、花押が流行ったり、

「実印じゃなくて花押がいい」

と言われたらかなり困りそうです。
 
花押ではありませんが、ご署名いただきたい書類にボールペンではなく
 
「自慢の毛筆で署名したい!」

と仰られた方がいて、大丈夫か、ミスらないか心配したところ
案の定失敗されて、書類作成者としてかなりショックを受けたことがありました。
 
それ以来、毛筆は禁止しています(笑)
 
 
ちなみに、問題となった裁判の経緯は以下のとおりです。
 
遺産相続の遺言書に使われる「印」は多くは実印だが、(認め印でも可能)、その「印」の代わりに、
戦国武将らのサインとして知られる「花押」の使用は有効かどうかが争われた訴訟の判決で、
福岡高裁那覇支部は、印と認定できると判断した一審・那覇地裁判決を支持し、遺言書を有効と認めた。

経緯は次のとおり。

①琉球王国の名家の子孫に当たる沖縄県の男性が、不動産の相続について花押が記された遺言書を残して死去。
②二男が2012年に遺言書の有効性を求めて、長男と三男を相手取り提訴。
③長男らは無効と主張。
④2014年3月の一審判決で、男性がこれまでも花押を使用してきたと指摘し、「印と認めるのが相当」と判断。高裁那覇支部も支持し、長男らの控訴を棄却。

(平成26年 10月25日日経新聞より)


最高裁で弁論が開かれるということは、一審、二審で有効とされた「花押」が無効と判断される可能性が高い。
もし、遺言書に「花押」をされている方は、早めの遺言書の作り直しをお勧めします。

 
私がお勧めしている「公正証書遺言」では、遺言者の特定や同一性の確認のため、印鑑証明書の提出が求められます。
なので、現実には実印を使用することになります。

「花押をやりたい!」

と言ってもダメです。

「自筆証書遺言」の場合は

法律上、「ハンコを押せ」と規定されていますが、その「印」は特に指定されていません。
必ずしも実印である必要はなく、 認印でも有効です。
拇印でも、有効という結論が下されています(最高裁平成元年2月16日判決)。

法律に規定がなくても、裁判例があっても、私は実印の押印と印鑑証明書の提示をお願いしています。

認め印なんて最近は百均でも買えますからね
遺言には使って欲しくありません。
 
大事な書類なんで、かならず実印でお願いします。
 
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by 073995332 | 2016-03-10 18:23