【腕の及ぶところ及ばないところ】
年単位でかかった相続手続きがようやく終わろうとしています。
・行方不明
・「塀の中」でお勤めしている方がいる
・音信不通
・書類を送っても返事がない
・関係者が外国にいる
・不在者財産管理人選任申立しても裁判所が受け付けない
・その他
いろんな行き違いがあって、時間がかかりましたがホッとしました。
遺産争いがなくても、解決まで時間のかかる相続手続きはあります。
変な話ですが、相続人それぞれの要求が分かれば「落としどころ」を探ることもできるでしょうが
「これだけ欲しい」という要求はおろか、返事がないのは困ります。
複雑な事案こそ「専門家の腕の見せ所」と思われるかもしれませんが
専門家の腕が及ぶところ
と
腕の及ばないところ
があります。
当事者が行方不明だったら「失踪宣告」や「不在者財産管理人」を家庭裁判所に選んでもらえばよいですが
不在者だと思って申立をしたら、裁判所が(頼んでもいないのに)調査して
「不在者じゃないぞ。塀の中にいるぞ。」と教えてくれる。
でも、どこの「塀の中」なのかは教えてくれないこともある。
「相手が返事をくれない。返事をするようにしろ」
というのも専門家の腕が及ばないんじゃないかな?
もし、腕が及ぶ方がいたら単に私が能力ないだけです。
専門家の自慢の腕をふるって「さすが!」と言われれば気分は良いですが
腕をふるうことなく穏やかに粛々と相続手続きを終える方が私は好きです。
きっと、どの専門家もそうだと思いますよ。
特に、司法書士はその傾向が強いような気がします。
実は、私も仕事を始めた当初は「自慢の腕をふるいたい」という気持ちが強かったです。
今の私から見れば、大して自慢するような腕ではありませんでしたが、頭でっかちというか
「この法律を使って、この手続きを使えば解決できる」
というよく分からない自信だけはありました。
今は、いろいろ苦労したり揉まれたりしたせいで、変な自信はなくなりましたけどね。
あの自信は何だったんだろうな~。
専門家の腕の及ぶところ
と
及ばないところ
今は、見極めができるので、お客さんに対して「及ばないところ」はハッキリ説明して
及ぶように最大限の努力をしています。
お客さんに説明しておかないと、「専門家なんだから何でもやってもらえる」と思われて
できないとなると、失望されかねないですからね。
しかし、時間はかかったけど無事に手続き終わることになってよかった。