【共同相続人の一部からの預金払戻請求】

 
最近、仕事でとても役立ちそうな判決が出ました。
(大阪高裁平成26年3月20日判決)
 
相続手続きで、銀行預金の解約をすることがあるのですが、その手続きが金融機関によってまちまち。
やれ、この書類を揃えろ、お前は相続人の何だ、とか、細かいことを言われます。

で、亡くなった方の預金は、最高裁判所の判例によると、預金は可分債権であるため、相続の開始とともに法定相続分に応じて分割されることになっています。

だから、別に遺産分割協議書がなくても、相続人は個々に金融機関に対して、自分の法定相続分の範囲で銀行に払戻請求できることになるはず。

でも、金融機関は応じません。

二重払いの危険性があるから、とか、業務が煩雑になるから、とか
なんだかんだ理由をつけて応じない。

今、ご相談を受けている案件で、法定相続分の範囲で払ってくれたら非常に助かる案件があるので
早速、判例研究して、金融機関と交渉してこようと思っています。
「金融・商事判例2015年8月15日号」も注文しましたし。

払い戻し請求に応じなかったら、金融機関の側に「不法行為責任」が発生して、損害賠償までくらってしまいますから、請求に応じますわな。


下記は、「齋藤綜合法律事務所」のサイトから引用しました。
http://saito-law.jp/

**************************


銀行は共同相続人の一部からの預金払戻請求を拒めるのか

金融・商事判例2015年8月15日号に、興味深い判例が掲載されていましたのでご紹介します。

亡くなった方(被相続人)の遺産に預金がある場合、最高裁判所の判例では、預金は可分債権であるため、相続の開始とともに法定相続分に応じて分割されることになっています。それゆえ、遺言も遺産分割もない場合は、本来であれば、相続人のそれぞれが、自分の法定相続分の範囲で銀行に払戻請求できることになるはずです。

ところが、銀行の実務では、二重払いの危険があることを理由に、一部の共同相続人からの払戻請求に応じてくれないので、他の共同相続人も含め全員が協力して払戻請求をすることができない場合は、銀行に対して訴訟提起することが一般に行われています。銀行も、判決があれば、これに基づく支払いは免責されると考え、払い戻しに応じてくれるからです。

ところが、こういった実務に対し、平成26年3月20日に大阪高等裁判所が出した判決は、弁護士が遺産分割決定の審判書を提出し、対象となる預金が遺産分割から除外されていることを銀行に示した上で、法定相続分の範囲での払戻請求をしたたにもかかわらず、銀行が任意に支払いに応じなかった場合に、不法行為に基づく損害賠償請求を認めました。
判決文の一部を引用します。

「被控訴人(注:銀行)は、母の死亡による相続開始により控訴人(注:共同相続人)及び二女が法定相続分2分の1宛の割合に従って当然に分割取得し、控訴人が本件預金の2分の1の払戻しを受ける正当な権限を有し、法律上控訴人の本件預金分割払戻請求を拒むことができないことを十分認識していながら、控訴人の本件預金分割払戻請求に対し、後日の紛争を回避したいとの金融機関としての自己都合から、他の共同相続人である二女の同意ないし意思確認ができない限り応じられないという到底正当化されない不合理な理由を構えて頑なに拒絶し、殊更故意に控訴人の本件預金債権に対する権利侵害に及び、控訴人をして、本来不必要であるはずの本件訴訟の提起並びにその追行に要する弁護士の選任及び弁護士費用の負担を余儀なくさせ、財産上の損害を与えたものであるから、このような行為は、銀行の業務の公共性や預金者の保護の確保を旨とする銀行法1条の目的に反することはもちろん、遅くとも本件預金分割払戻請求があった平成24年10月23日からさらに払戻手続に要するであろう期間2か月程度(上記請求の内容等に照らすと、この程度あれば十分と認めるのが相当である。)が経過すれば、その時点(同年12月23日)において、本件預金の単なる債務不履行の域を超えて、不法行為が成立するものと認めるのが相当である。」

言われてみればその通りだと思いますが、結構インパクトはあると思います。こういった判決が出たことにより、今後の銀行の対応に影響がある可能性がありますので、ご紹介いたします。


b0181744_153392.jpg

by 073995332 | 2015-09-09 15:33 | つぶやき