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【報酬はどうやってもらいますか?】


先日、とあるデザイン会社に勤める方からご相談を受けました。

「どのタイミングでお客さんからお金をもらったらいいか迷いがある」

業界の常識は、「制作物をお客さんに納めた段階でお金をもらう」
ただ、そうすると、依頼を受けたのはいいものの、お客さんとの打ち合わせが長引いてしまい、そのうちお客さんの熱が冷めてそれっきり

というパターンだと1円もお金をもらえないことになる。

なので最初に契約書を交わして、
申込金とかいう名目で制作費の一部を受け取るとか
進行具合に応じてお金がかかるようなシステムにするとか
違約金が発生するような状況を列記するとか

そんなことをしたらどうか、というご提案をしました。

でも、それは「業界の非常識」で、いざやろうとすると勇気がいる。

契約書を交わすことで「めんどくさい会社」と思われ、新規のお客さんを逃す。
違約金を定めることで「俺のこと信用しないのか」と思われる。

そりゃあ勇気いりますよね。同業者がやってないことだもの。

「村瀬さんはどうしてますか?」と聞かれましたので
「私は原則『前金制』にしてますよ」と答えました。


前金制、お金を全部頂かないと仕事しない、というシステムです。

前金制は業界の常識ではないですが、非常識とは言えません。
ただ、司法書士業界は「お金の立て替え」をすることが多いです。

主に、法務局に納める「登録免許税」という手数料は、司法書士が立て替えることが多いと思います。
なので、開業したてで資金のない方は、その「立て替え」が結構きびしい。
例えば、銀行から仕事が来て、「資金がないから前払いでお願いします」とは言いにくい。

以前は、私も「立て替え」をしていて
立て替えがきびしくないときでも、「先生お金なさそうだから、(登録免許税を)先に出すよ」と言ってもらったことがあります。
確か10万円くらいでしたかね。

司法書士報酬って主に書類作成報酬なので、例え、成果が出なくてもお支払いいただけるものだと私は考えています。
その反対が「成功報酬」で、思うような成果が出たらお金を頂けるという報酬です。

「書類作成報酬だから、書類できた段階でお金もらってもいいのではないか」

という考えをもっていたし、
依頼者の中には、依頼したっきりどこかに行ってしまう人もいる。
また、後払いだと、思ったような成果が出なかったから払わないとか、立て替えてもらったお金が払えないという人も出てくるかもしれない。

そして何よりもキャッシュフローが良くないと思ったからです。

例えば、法務局への手続きって、法務局の混み具合とかで、手続き完了日が大きく変わります。
早いと1週間くらいで終わるのに、遅いと1ヶ月近くかかることもある。
自分が関与できないことで、お金の出入りの時期が左右されるのが嫌だった。

商売である以上、私も支払をしないといけないのに、入るはずのお金が入らないでは困ります。

だから、前金制にしました。
正直な話先にお金をいただけると安心して業務ができます。

前金制にしてからも、それはおかしいとか、困るというご意見をいただくこともなく、受け入れてもらえています。

余談ですが、先日、大阪に出張した際、とある飲食店が「前金制」でした。
チケットを買うスタイルではなく、ほんとにお金を店主に先払いするシステム。

美味しくなくて、「不味いから払わんぞ」を言わせないためか
単に、「食い逃げ」を防ぎたいためか。

何となく、大阪っぽいと感じました。
 
 
もし、お客さんからのお金のもらい方に悩まれている方は、前金制もご検討ください。
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by 073995332 | 2015-04-15 21:24 | つぶやき