【境目を曖昧にする】
「何を聞いたらいいのか。この先どう進めればいいのか分からないです」
ある日、午前、午後とも遺言関連のご相談を受けました。
「理路整然と話されたり聞かれたりしたら専門家いらなくなってしまうので、脈絡なくてもかまわないし些細なことでも構いませんから何でも聞いてください」
って、私はいつもお伝えしているのですが、「何でも」って言われてしまうとかえって聞きにくくなるのかもしれません。
ご相談される方には、ぶわーっとお話されてすっきりされる方と、あまりお話されない方がいます。
「ぶわー」の方は、好きなだけ「ぶわー」とお話していただいて、私が重要な要素をメモするなり記憶にとどめるなりして、適度にお話の内容を要約して返してあげる。
「句読点なく」「いくつもの論点をごっちゃに」してぶわーと話される方には、「少しここで確認させていただいてもいいですか?」と話を中断させることもあります。
あまりお話されない方には、「尋問」にならない程度で私から質問を重ねます。
でも、私が一番大切にしているのは、お話をいただく前の時間。
いわゆる「アイスブレイク」ってやつです。
アイスブレイクとは、初対面の人同士が出会う時、その緊張をときほぐすための手法のこと。
セミナーなんかに出ると、セミナー前に参加者全員と握手して挨拶するとか、自己紹介するとかしますよね。
全員と握手しても、私はちっとも緊張がほぐれないですが。
以前少し書いたのですが、「仕事とプライベートの境目を曖昧にしてみる」ことをメンターにアドバイスされました。
そのアドバイス自体が曖昧そのもので、実行するのも難しいのですが、試し試し実行しているのです。
私が「とてもカチコチの口調で話すから相談しにくい」って、苦情というかご意見をいただいたことが以前あって
「普通に話してるんだけどな」
「どうしたらいいのか分からん」
と密かに悩んだのですが、その解決方法の一つが「仕事とプライベートの境目を曖昧にしてみる」
先日は、とあるオサレなカフェでご相談者と会ったのですが、相談の前にずっとそのオサレカフェの話をしてました。
「めちゃオシャレですね」
「このカップもいいし」
「何すかこのモーニングのボリューム!」
「朝ご飯食べてきて失敗した!(笑)」
といった感じで、私がお話してみました。
境目を明確にすると、オサレカフェには触れずに「ご相談はどのような内容でしょうか」と切り出す。
もちろん「仕事とプライベートの境目を曖昧にしてみる」と言っても、ご相談内容とかご相談時間、相談料すべてを考慮してはいます。
深刻な内容ならそんなこともやってられないので。
「仕事とプライベートの境目を曖昧にしてみる」
勝手な解釈ですが、いわゆる「先生業」の方って、カッチリしている人が多くてとっつきにくいのではないでしょうか?
もちろん仕事をきっちりすることは当然ですが、その仕事をする人がきっちりしすぎていているのも考えもの。
先生業なんだけど、あえて、楽しさとか嬉しさを前面に出してみる。
「お役に立てることが楽しい」
「頼ってもらえることが嬉しい」
先生業は、自分が「商品」なんだから、少しでも自分が魅力的に見えるように、お客さんに手にとってもらえるような工夫をしていかないとですね。
始終「しかめっ面」よりも「楽しそう」とか「嬉しそう」な商品の方が売れると思いませんか?
※オサレカフェのカップ