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【やしきたかじんと遺言書】


今年の1月に「やしきたかじん」のことを書きました。

【やしきたかじんと相続手続き】
http://na0ism.exblog.jp/21859084/

で、忘れていた頃に、やしきたかじんの最後を綴ったノンフィクション「殉愛」(百田尚樹著)が出版され、先日読了しました。
忙しい百田尚樹がスケジュールを半年ずらしてまで書き上げた作品です。
400ページをこえるボリュームですが、さすが百田
一気に読ませます。

Amazonの書評では、いろいろな意見があり(読んでないけど)、果たして事実はどうだったのか定かではないですが

私の感想は

「愛情に恵まれなかったたかじんは悲しい人だったけど、最後に愛に恵まれて良かった」

でも、人生の最後にしか愛にめぐり会えないのは切ない。
私は、お金はそこそこでいいから愛に溢れた豊かな人生を送りたい。

自分がお金がなくても社会的な地位を失っても、変わらず付き合ってくれる人がどれだけいるか。
人生の豊かさってそういうものではないでしょうか。


で、「殉愛」の中には、たかじんの遺言書の記述もありました。
病院で終末期のケアを受けていたたかじんが作成した遺言書は

「死亡危急者遺言」

のようでした。


危急時遺言とは
死期が迫り署名押印できない遺言者が口頭で遺言をし、証人がそれを書面化する遺言の方式です。
病気などで死に直面した人に認められる一般危急時遺言と、船舶の遭難である場合に認められる船舶遭難者遺言が法律で定められています。

民法第976条(死亡の危急に迫った者の遺言)
 
疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは、証人三人以上の立会いをもって、その一人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる。
この場合においては、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名し、印を押さなければならない。



死亡危急者遺言は、私自身、作成に携わったことはないし、お目にかかったこともない様式の遺言書です。

作成要件
(1)証人3人以上の立会いをもって、その1人に遺言の趣旨を口授する。
(2)口授(口がきけない人の場合は通訳人の通訳)を受けた証人がそれを筆記する。
(3)口授を受けた証人が、筆記して内容を遺言者及び他の証人に読み聞かせ又は閲覧させる。
(4)各証人が筆記の正確なことを承認した後、遺言書に署名し印を押す。

家庭裁判所による確認
 遺言の日から20日以内に、証人の1人又は利害関係人から家庭裁判所に請求して、遺言の確認を得なければなりません。
 家庭裁判所は、遺言が遺言者の真意に出たものであるとの心証を得なければ、これを確認することができません。(民法976条4項)

一般危急時遺言の失効
 遺言者が普通方式によって遺言をすることができるようになった時から6ヶ月間生存するときは、無効。(民法983条)


「殉愛」の中でも、弁護士が家裁での確認に備え予め主治医から、「遺言書作成時にたかじんに判断能力あった」旨の診断書を取得していました。
それでも前妻の子から、遺言無効の訴え(たかじんの遺言書は無効であるとの訴え)が出されています。

遺言書も万能ではないので人間関係が複雑な方は、事情が許すならお元気なうちに生前贈与をするなりしておいたほうがいい。
多少の贈与税を支払っても、のちのちの遺産争いを考えたら税金の方が安い場合もありますから。


たかじんが遺言書を作成したのは死の数日前ですから、最後まで尽くしてくれた奥さんへの感謝の気持ちまでは綴れなかったでしょうが

歌という形で「結言」がいつまでも遺るのは素敵なことで、私にはうらやましくあります。

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by 073995332 | 2014-11-11 18:51 | つぶやき