【結言書を作った方がよいと思う人①】
相続手続をしていて「遺言書があったら良かったのに」というケースが結構あります。
どんなケースで「遺言書」が有効なのかについて書いてみます。
その1「子どものいない夫婦」
相続人には、遺留分という財産があります。
遺留分とは、民法で定められている一定の相続人が最低限相続できる財産のこと(民法1028)。
基本的には、亡くなった人の意思を尊重するため、遺言書の内容は優先される。
しかし、例えば「自分が死んだら、愛人に全財産をあげる」という遺言書を作られてしまうと、残された家族は気の毒。
だから、民法では最低限相続できる財産を、遺留分として保証しているのです。
遺留分が保証されている相続人は、配偶者、子供、父母です。法定相続人の第3順位である兄弟は、遺留分を保証されていません。
兄弟は遺留分が保証されていない=兄弟には遺留分がないです。
なので、相続人が、妻と夫の兄弟であれば、遺言書に「妻に全財産あげる」と書いておけば、夫の兄弟は何ももらえません。
あ、遺留分とは関係ないのですが、もし愛人さんに財産をあげたい方は注意してください。
遺言書の形式が整っていても、遺言書の書き方によっては愛人さんに財産をあげられなくなっちゃいますので。
「兄弟には遺留分がない」と言うことを、よくご存じで遺言書作成をご依頼される方も少なくありません。
一方で、自分の親の相続で揉めてつらい思いをしたのに、遺言書がないため自分の配偶者の相続でまたつらい思いをする方もいます。
やっぱり「遺言」って嫌な言葉ですよね。遺書と同じ字ですから。
遺書は昔から日本にあったと思うのですが、遺言という言葉は明治時代になってから日本に入ってきたのではないかと思います。
で、日本の民法はフランス民法の影響を受けているので、フランス語の遺言にあたる語が「遺言」って翻訳されたのでしょう。
ちなみにフランス語で遺言は「testament テスタマン」
よく分からんですね。
ちなみに英語では「WILL」です。
willは未来を表す助動詞でもありますので、遺言よりかなり前向きですよね。
私の作った「結言」もかなり前向きな仕上がりになっていまよす。
結言のコンセプトは「あなたの未来への想いをくみとり、大切なご家族へ結び伝える言葉」ですから。
50代以上の方で、子どものいないご夫婦の方は、いきなり遺言書を作るのは心理的な抵抗があると思いますから、まずはご自身の財産を把握することから始めてください。
相続が起こった時に、どれだけの財産があるか把握できてることって以外に少ない。
なので、財産の一覧表みたいなものを作っておくと後々便利です。
で、余裕があったら遺言書、いや「結言書」の作成をご依頼ください。
※「結言」は村瀬尚仁の登録商標です。
【ご参考】
(遺留分の帰属及びその割合)
第1028条 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。
1 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の3分の1
2 前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の2分の1