【大家さんは甘くない!?】
私は、ある方の「成年後見人」に就任してその方の財産管理をしています。
成年後見制度(せいねんこうけんせいど)とは、判断能力(事理弁識能力)の不十分な者を保護するため、一定の場合に本人の行為能力を制限するとともに本人のために法律行為をおこない、または本人による法律行為を助ける者を選任する制度。
お世話する人を「成年後見人」と言い、お世話される側は「被後見人」と言います。
財産といっても、銀行預金であれば通帳を管理していれば済んでしまいます。
でも、私がお世話させていただいている方は「賃貸マンション」をお持ち。
私は賃貸マンションに住んだことはあるけれど、所有したことはありません。
不動産の管理っていろいろなことに目を配らないといけないので大変です。
まあ、建物の管理自体は管理会社の方にお任せしているのですが、
「近所から苦情がでているから(駐車場の)草刈をしてください」と言われれば業者の手配をしたり、
「外壁の塗り替えの時期が来ましたがどうしますか?」と言われれば、業者の方から相見積りをとったり、
「入居希望の方がいて、こんな方ですがどうしますか」と報告を受けたりしています。
入居者募集も管理会社にお任せしていて「何万円の家賃で入居者募集したいと思いますが、どうしますか?」と聞かれるのが一番困ります。
私の判断で「そりゃ安いね。もっと高めでお願いします」とは言えません。
管理会社の言う家賃が高いのか安いのか、も判断がつきません。
だから、家賃に関してはプロの判断にお任せしている部分が大きいです。
また、成年後見人は、被後見人の方から「報酬」をいただきます。
いくら「報酬」をいただけるのか関心を持たれる方が多いと思いますが、報酬の額は裁判所が決定します。
後見人から「報酬の額を決めてください」と裁判所に申し立てをしなければならない。
どうやって裁判所が報酬額を決定するのか、私は詳しくは知りませんが、後見人が管理する財産の額によって報酬額が決まり、被後見人の財産を増やすことがあれば報酬額が上がるようです。
だからといって、被後見人の財産を株式投資に突っ込んで、増やすということはできません。
あくまでも、被後見人の財産は現状を維持することが大原則です。
聞いた話ですが、被後見人の方がもともと株式投資をしてた場合、株価が上がろうが下がろうが株を後見人の権限で売り買いすることはできません。
現状維持が原則だからです。
株価の上がり下がりに関係なく、現状維持で株を持ち続けなければならない。
私も被後見人に成り代わり「賃貸マンション」を管理していますが、この先、入居者が減ってしまって家賃収入が減ってしまったらどうすんだろ、と気が気でなりません。
マンションを建てるにも「億」という額の借金をしているので余計に心配です。
家賃収入は夢の「不労収入」ではありますが、現実にはそんなに甘くはないのかなと後見人業務を通じて感じています。
※成年後見人は「家庭裁判所(家裁)」の審判を経て、選任されます。
「家裁の人」は昔よく読みました。