「あの件は、一筆とってあるから」
「一筆とっておけばモメなかったのに」
よく、「一筆(いっぴつ)」という言葉を聞きませんか?
例えば、お金を貸すときに「借用書」として一筆とっておく、みたいに使います。
何も書類なしにお金を渡せば、「貸した」のか「あげた(贈与)」のか分からないけど
「借用書」があれば、お金を貸したことがハッキリします。
他には
「交通事故を起こしたときには、軽はずみに念書や一筆入れたらダメだぞ」
ということを聞いたことがある人は多いかも知れません。
でも、「一筆」は万能じゃない。
「将来、父の相続が起こったときには、私は一切相続分の主張をしません」
というような文言で、相続人から「一筆」とっていても意味はありません。
相続分の主張をしない=相続放棄 であるなら
相続が起こったときに、家庭裁判所に「相続放棄」の申立をする必要があります。
「相続放棄します」なんて、一筆とっていても意味はありません。
とりあえず、サインさせておけば良いだろう
一筆取ったから安心、という
「一筆至上主義」
を信じている人はたくさんいて
窓口の対応が、一般の金融機関と違う「ゆうちょ銀行」も一筆至上主義に侵されている気がします。
【謎だらけの「ゆうちょ」】
私がゆうちょの窓口で相続関係書類を渡して、ゆうちょの方が
「預かり証」を発効するのは分かります。
でもなぜ
「確かに(ゆうちょに)書類を預けました」
という書類に、サインをさせたがるのか、私には意味が分かりません。
意味が分からないので、預かり証だけもらって「預けました証(?)」のサインは拒否しています。
訳の分からない一筆至上主義にはおつきあいできません。
クリーニングに衣類を預けて
旅行をして荷物をホテルに預けたりして
クリーニング店、ホテルで「預けました証」を求められたことある人いませんよね?
ゆうちょで相続手続きをするたびに
「預かり証もらってるのに、どうして(預かりました証に)サインさせるのですか?」
と言っているのですが、未だに納得する回答はいただけていません。
【今日のまとめ】
・「一筆」は万能じゃない
・「一筆」とっても意味のない書類がある
・むやみにサインしないこと