人気ブログランキング | 話題のタグを見る

【成年後見人の仕事と責任】


愛知県大府市で2007年、認知症で徘徊(はいかい)中の男性(当時91)が列車にはねられて死亡した事故をめぐり、JR東海が家族に約720万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第三小法廷(岡部喜代子裁判長)は1日、介護する家族に賠償責任があるかは生活状況などを総合的に考慮して決めるべきだとする初めての判断を示した。
   
『認知症JR事故、家族に監督義務なし 最高裁で逆転判決(朝日新聞)』
http://www.asahi.com/articles/ASJ2X0VW5J2WUTIL028.html
 
認知症を患われていた方とそのご家族に関しての最高裁判所の判決が出ました。
判決内容を精査しておりませんが、常識にそった判決ではないかと思います。
 
認知症を患われて、判断能力が衰えてしまった方のために「成年後見制度」があり
ご家族が成年後見人になられているケースは多い。
 
この判決のような事例で、親族以外の人が成年後見人になった場合にも責任が及ぶ場合もありえます。
 
認知症の方ではありませんが、私も数人の方の成年後見人になっているので
今まで以上に「被後見人」の方のお世話を注意して行わないといけません。
 
 
ご自宅で暮らされている被後見人の方とは、最低1回はお顔を見るようにしていますが
それでも、私が気がつかないことは沢山あります。
 
私が気がつかないことは、役所の福祉課の方等から随時報告をいただくようにしている。
 
電化製品の調子が悪い、お風呂が壊れたといったことから
ご本人の体調の善し悪しに至るまでご報告をいただいているし
支援計画の会議があれば積極的に参加しています。

そういった会議は「私の仕事ではありません」と言って参加されない同業者もいるようです。
   
【私の仕事じゃない】
http://na0ism.exblog.jp/25101516/
 
 
ところで、司法書士が成年後見人になる場合には、大きく2通りのケースがあります。

①裁判所の名簿から選任される
②被後見人のご家族、ご親族から依頼を受ける。

 
同業者で、多いと10件超成年後見人になられている方がいますが、これは①のケースです。
私は、裁判所の名簿に登載されていませんので、どのように選任されるのか分かりません。 

でも、10件も成年後見人を引き受けられている方はさぞ大変だと思います。
 
私は②のケースだけですが、成年後見とは全然関係ない別件のご相談を受けていて
成年後見の申立に至りました。

ちなみに、私が裁判所に提出する申立書だけ作成して、成年後見人に就任しないケースもあります。

あんまり分からないのですが、同業者から聞いた話では①のケースだと
ボランティアに近い報酬で職務をすることもあるそうです。

なぜ、ボランティアになるかというと、成年後見人の報酬は、被後見人の資産の中から支出されますが
その資産が少なければ、成年後見人の報酬まで回らないからです。
 
ボランティア精神を持つのは良いことですが、全くのボランティアだとかなり辛いですよね。
幸い、私はボランティアをしなくて済んでいます。


『子供叱るな来た道だもの 年寄り笑うな行く道だもの』
 
という言葉があります。

誰もが子どものときやんちゃして怒られたし
誰もが年をとって身体の自由がきかなくなります。
 
だから、まあ、数十年先の自分をお世話しているという気持ちになって
私は、成年後見人として、ご高齢の方やお身体の不自由な方のお世話をしています。

 
【成年後見人の仕事と責任】_b0181744_18582093.jpg

by 073995332 | 2016-03-02 18:58