【交通事故は司法書士の業務になるか】
先日、愛知県司法書士会の研修に参加してきました。
テーマは「交通事故」
弁護士を講師に招いて、どうやって司法書士か交通事故案件に関わるかの講義です。
皆さんが、ご存じかどうかわかりませんが司法書士も「140万円以下」のお金の紛争なら
弁護士と同じように裁判や示談交渉もできます。
交通事故というと、先日の「スキーバス事故」のような悲惨な死亡事故をイメージしがちですが
物損事故とか自転車の事故なら「140万円以下」の争いが多いそうです。
司法書士と弁護士は競合相手なのに、弁護士が司法書士相手の講義をするというのは
「敵に塩を送るようなもの」
でも、
「(交通事故案件を)やれるもんならみろ!」
という弁護士の自信の表れ
とか
司法書士が行政書士ほど「ガツガツ」していないことを見越しているから
講義をしてもらえたのかもしれません。
その講師はロースクールでも教えている方なので、非常に分かりやすい講義でした。
正直、交通事故案件について
「物損程度だったら司法書士もやれるよな」ぐらいのイメージしか私はありませんでした。
また、行政書士で「交通事故専門」とうたっている人がチラホラ出だして
「なんで示談交渉もできない行政書士がそんなこと言えるんかな」
と疑問でした。
しかし、ある弁護士事務所のホームページで、そこの弁護士が司法書士、行政書士相手に
「ネガティブキャンペーン」をはっていてるのを見て、弁護士にとって司法書士らが、
意外に脅威になっていることを知りました。
「司法書士や行政書士に交通事故案件依頼すると損するで」的なキャンペーン(笑)
依頼を受ける際に、一番問題になるのは
「報酬」
例えば、物損で10万円の請求をするのに、司法書士報酬が20万円かかるとしたら誰も依頼をしません。
そこんとこどうなんだろう、と昨日まで疑問でしたが
自動車の任意保険の、いわゆる「弁護士特約(専門家費用特約)」が、司法書士にも使えることを初めて知りました。
これは、専門家として、結構恥ずかしいことなんでしょうね。
「えっ、相談するのにも保険からお金出してくれるの?」
「特約使っても、保険の等級下がらないの?」
やっぱり、知らないと損すること多いですね。
研修を受けて、交通事故は司法書士の業務になりうるとハッキリ分かりましたが
じゃあ、今日からやろう、という気持ちにはなりませんでした。
私のスタンスは、この記事に書いていますが
【自分がされて嬉しいことを人にする】
http://na0ism.exblog.jp/24964613/
「何でも自分で抱えて離さない」というスタイルではありません。
自分より得意な人がいれば、その人にお任せするというスタイルです。
交通事故案件をお任せするにでも、私自身に最低限の知識がないと、お任せする方にご迷惑をかけてしまうかもしれない。
なので、研修を受けたのです。
また、
「あれもできる。これもできる。」
「できること沢山並べておいて依頼が来たらラッキー」
というスタイルでいると、自分の注力したい仕事が来なくなる可能性が高い。
なので、取り扱い業務を絞っています。
たとえて言うなら
「うどんを食べたい人は、何でも食べられるファミレスには行かない。」
間違いなくうどん屋さんに行きます。
私は「うどんを食べたい人」にだけ事務所に来て欲しいので、「ファミレス」にはなりません。