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【高齢者に遊び遊ばれ】

「あの~村瀬さん、手続き終わったきゃ~?」(名古屋弁)
(村瀬さん頼んでた手続き終わりましたか?)

 
「手続きって、書類見つからないから見つかったら、私に連絡するって言っとったでしょう?」
「連絡待っとったがね。明日家に行くでね」



私の事務所は高齢者の方からのご依頼がわりかし多いです。
高齢者以外の方からのご依頼なら、ちゃっちゃと進む手続きもなかなか思うようには進みません。
 
書類があったとかないとか。
書類をひたすら探しているとか。

認知症なのか、それとも単なる物忘れなのか。
私には判断がつきません。

認知症なら病院に連れて行って、成年後見手続きなど進めた方がいいと思うものの
どうやって本人に説明したらいいか、いつも悩みます。

物忘れの場合は、気長に付き合います(笑)

仕事が立て込んでいるときには少し困りますが

「まあ、子どもと一緒だから年配の方はしょうがない」

年配の方は、子どもと一緒で憎めない存在です。


手前味噌になってしまいますが

「先生が近くにいたら任意後見契約をお願いするのに」

と先日、ある高齢者の方に言われました。

その方のご兄弟の成年後見人に私がなっていて、数ヶ月に一度、ご報告がてらお話をするのですが
後見人の職務やそれ以外の話をするうちに、好感を持って頂いたようです。

ご自身もいつ認知症になるかもしれない
認知症にならなくても身体の自由がきかなくなるかもしれない

そういった不安が出てきたため、任意後見契約をお考えになったそうです。

「先生が近くにいたら任意後見契約をお願いするのに」
 
自分の働きを認めてもらったからこそ、こういう言葉を頂けたのだと思います。
嬉しいですね。

愛知県にお住まいだったら、お引き受けするのですが
少し遠方なのでお引き受けするのは難しいですね。

任意後見制度とは
本人が契約の締結に必要な判断能力を有している間に、将来自己の判断能力が不十分になったときの後見事務の内容と後見する人(任意後見人といいます)を、自ら事前の契約によって決めておく制度です。


分かりやすく言うと、認知症になる前に自分の面倒を見てくれる人を契約で決めておく手続きのこと。


任意後見契約をお考えになったものの

「どんな人間かよく分からないのに、自分の将来のことを託して良いのか」
「ちゃんとコミュニケーションをとってやってくれるのか」
「四角四面のことばかり言われたら嫌だな」
「任意後見人にどこまで頼んだらいいか分からない」

そういったことがネックになって、実際の契約にまで至っていない。

変な例えですが、将来を託すと言う点では任意後見契約って「結婚」みたいなものですよね。

結婚だったら、しばらく交際期間が認められて、合わなければ分かれてしまえばいい。
でも、任意後見契約でお試し期間というのは聞いたことがないし、契約解除はできますが易々と契約解除をするのもどうかと思います。

じっくり将来を託せる人を選びたいという気持ちはとても分かります。
任意後見契約で「お試し期間」を設けられるかどうか公証人に相談してみようかな。


これからの時代、任意後見契約はますます増えるでしょうが、
そのニーズをすばやくかぎ取って、専門家がどれだけの働きができるかが問われるし
コミュニケーション能力もますます求められます。

※私の事務所のチラシです。
【高齢者に遊び遊ばれ】_b0181744_18494142.jpg

by 073995332 | 2015-07-17 18:50