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【 プロ失格 】


先日、私が後見人就任予定の方が入所されている老人介護施設を訪問してきました。
家庭裁判所に成年後見の申し立てをした件、今後は私が財産の管理をする件を、ご本人に伝えました。

成年後見の仕事って仕事と割り切れないところがあって、どうしても感情移入をしてしまう。
自分の親だったらと思ったら割り切ってやれませんよね。

そのあたりが、私の「良さ」であり「弱さ」でもあると分かっているのですが割り切れません。

ご本人が不自由することなく、穏やかな人生を送るお手伝いができたらと思います。


自分も40代に入り、いつどのような形で命が尽きるかわかりません。
また、今の仕事が出来なくなったら、果たして年金だけで生活できるだろうか。

老人介護施設を訪れるたびに、自分の「老い」について否応なく考えさせられる。

家を新築した方の手続き、会社設立手続き等、人の幸せに関連する仕事もあるけれど、相続に代表される「人の死」や成年後見の「老い」もまた、司法書士の中心業務です。

目の前の人が自分の身内だったらと考えてしまうのは、ある意味プロとして失格なのかもしれません。
でも、「おまえなんかプロ失格だ!」と言い切ってしまえるような人には、なりたくないし、なるつもりもない。

私が、家庭裁判所から選任され後見人に就任するまで1~2月の時間がかかります。
それまでに、少しでもご本人と信頼関係を築いていけたらいいな。

最初にお会いした時より、ご本人は不思議と力強さにあふれ、内臓も丈夫だそうなので少し安心しました。
少し負けず嫌いなところがあるというのも長生きの秘訣のようです。


病院とか介護施設っていろいろな「気」が満ちあふれていて、私はどうしても敏感にそういった「気」を感じ取ってしまいます。
感じ取った「気」のせいか、今日は少ししんみりした話題になりました。


普段は、活動的な方でも少し冷静になって、自分の「今」と向き合うと明日からの「時間の使い方」を考えるようになれるかもしれません。
やろうかどうしようか迷うようなことでも、自分に残された時間を認識すると「やろう!」と踏ん切りがつきます。

私も自分に残された命が意外に少ないことが分かってからは、躊躇なく「やろう!」という気持ちになりましたから。

たまには自分の「今」と向き合ってみましょう。


※司法書士のマンガもありますが、こんなにかっこよくないです。
【 プロ失格 】_b0181744_1901560.jpg

by 073995332 | 2014-05-08 19:00 | つぶやき