人気ブログランキング | 話題のタグを見る

【手書きのラブレター】



おもむろに母が語りだしました。

『(私の父と)結婚する前に付き合っていた期間が長くて、その間にやり取りした手紙が結構あって・・・』


・・・知らんがな

両親が交際を始めて、結婚に至り私が生まれた、という当然の事実があるわけですが、面と向かってそういった事実を告げられると対処に困ります。
で、思わず「知らんがな」が出ました。

両親が結婚前に手紙のやり取りをしていて、母がその一通一通を大事に保管していたことを最近聞かされました。

また、父親は建築士で私と違って絵が得意だったのですが、母親が着る服のデッサンをしていたことが発覚。
そのデッサンも見せてもらいました。

親父、なんかすげえじゃん。

でも、母が父に興味がなく、付き合ってもいない時期に、父親は「俺と付き合わない方がいい。俺は独りでも平気だから・・」といった手紙を残していたらしい。

少し自意識過剰なところが父らしくて笑えました。

私の両親の結婚は、皆が賛成したくれたものではなく、反対する人も少なからずいた。
でも、父と母が勇気を出してくれたおかげで、今の私があることを思うと感謝にたえません。

父と母が綴った手紙の数々に目を通してみたい気持ちもあるけれど、いくら子どもとはいえ、二人だけの日々が書き連ねられた文章を興味本位で読むのは野暮ですね。

母親は言いました。

「私が死んだあとにあんたに(手紙を)読まれて、笑われるのが嫌だから、手紙は処分しようと思う」
「でも、処分すると(父との)つながりがなくなってしまってさびしいけど。」



今の時代は、なんでもメールやLINEでコミュニケーションを済ましがちで、手紙と言うものは出すのも受け取る側も少し「重い」と感じるかもしれません。
でも、たまには手書きの手紙を出すのも、今の時代だからこそ味わいがあっていいかもしれません。

パソコンやケータイで打ち込む文字は、誰が打ち込んでも同じ文字が表示される。
字の上手い下手、字の持つ「味わい」は決して表現されません。

極端な話、手書きの文字は、一つとして同じ文字はありません。

手書きの文字は、同じ「あ」という文字でも、私の書く「あ」と母が書く「あ」は同じ「あ」の文字じゃない。
同じ私でも、気分の良い時に書く「あ」と落ち込んだときに書く「あ」は同じ「あ」の文字じゃない。


私は、仕事で文章を作る際には100%パソコンを使います。
でも、お客さんから依頼を受けた案件によっては、文案をパソコンで作ってわざわざお客さんに手書きをしてもらうこともある。

お詫びの気持ちを表現したいときや、心からのお願いごとを伝えたいときには「手書き」にこだわります。

手書きにしたから、依頼者のリクエストが必ず叶えられるかと言われれば自信はありません。
でも、気持ちは伝わるのかな、と思って、手書きをお願いしています。

どんなに気持ちを込めて作っても、パソコンで作られた書類には「味わい」がないから、気持ちが伝わらない。

私はそんなことを考えながら仕事をしています。


※ゴールデンチャイルドガーデンの花
http://www.goldenchildgarden.com/top.html

【手書きのラブレター】_b0181744_17521583.jpg

by 073995332 | 2014-01-21 17:52 | つぶやき